手で投げるな!

「手で投げるな!足で投げろ!」
これは野球の世界で言われる常套句だとか。
今日、書棚の整理をしてたら昔の稽古手控えが出てきて、太田師範がこれと同じようなことを言われてました。

『手で投げるな!足で投げろ!
 足で投げるな!腰で投げろ!』

合気道において、腕力で投げるのはNGです。
腕力に頼ることは「力み」であり、それはすなわち肩が上がり、体のバランスが上半身に偏り、目は動きが固まってしまい周囲が見えず…などなど、ロクなことになりません。
足で投げろとは、体の移動です。移動せずにその場で処理しようとすることは「体が居着く」と称し、武道全般でダメとされていることです。合気道も居着いてはいけません。

では、「足で投げるな!腰で投げろ!」とはいかに?
腰を動かそうとするから足が動くし、腰を切るから体を開くことができる、という体の運び方。上半身は腰の真上に乗ってるだけ。この腰の運び(と、なんば歩き)がしっかり身についたら、合気道が一段とうまくなります。投げの動作では特に意識して、腕力に頼らず、足だけでなく、腰の運びに注意しなければなりません。

時には昔の手控えを開き、師範が言われたセリフの意味を再確認し、基本に立ち返ります。